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書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで

, フェルナンド・バエス

によって フェルナンド・バエス
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内容紹介「もはやわれわれの記憶は存在しない。 文字や法律の揺りかご、文明発祥の地は焼失した。 残っているのは灰だけだ」 (2003年、バグダード大学教員のことば) 「55世紀もの昔から書物は破壊されつづけているが、その原因のほとんどは知られていない。本や図書館に関する 専門書は数あれど、それらの破壊の歴史を綴った書物は存在しない。何とも不可解な欠如ではないか?」 シュメールの昔から、アレクサンドリア図書館の栄枯盛衰、ナチスによる“ビブリオコースト"、イラク戦争下の略奪行為、電子テロまで。 どの時代にも例外なく書物は破壊され、人類は貴重な遺産、継承されるべき叡智を失ってきた。 ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、数多の天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心さにおよぶ。 幼少期に地元図書館を洪水によって失った著者が、やがて膨大量の文献や実地調査により、世界各地の書物の破壊の歴史をたどった一冊。 ウンベルト・エーコ、ノーム・チョムスキー絶賛! 内容(「BOOK」データベースより)「50世紀以上も前から書物は破壊され続けているが、その原因のほとんどは知られていない。本や図書館に関する専門書は数あれど、それらの破壊の歴史を綴った書物は存在しない。何とも不可解な欠如ではないか?」―ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、数多の天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心さに及ぶ。幼少期以来、たび重なる書物の悲劇に居合わせてきた著者が、膨大な量の文献や実地調査をもとに、世界各地の書物の破壊の歴史をたどった一冊。17か国で翻訳。商品の説明をすべて表示する
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『書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで』(フェルナンド・バエス著、八重樫克彦・八重樫由貴子訳、紀伊國屋書店)は、古代オリエントから今日のデジタル時代までの書物の破壊の歴史が詳細に綴られています。「書物の破壊の歴史という恥辱の年代記を破壊の原因別に見ると、全体の60パーセントは故意の破壊によるものだ。古代オリエントのシュメールの粘土板だろうが、2002年にヘブライ語の書物を焼いたフランス人司書だろうが関係なく、書物を破壊する者たちは、あらゆる文化に共通して見受けられる態度を示している。それは世の中の人間を『彼ら』と『私たち』に区別する傾向だ。これが行き過ぎると『私たち』以外は全員敵となる。そういった他者否定の基準のもとで、つねに検問は課され、知る権利は侵害されてきた。残りの40パーセントはそれ以外の要因で、内訳は1位が自然災害(火災、台風、洪水、地震、津波など)、次いで事故(火災、海難事故など)、天敵による被害(本につく虫、ネズミ、昆虫など)、文化の変化(言語の消滅、文学様式の移り変わりなど)、書写材の劣化(19世紀の酸性紙は何百万もの作品を破壊しつつある)と続く」。個人的に興味深い記述にいくつも出会うことができました。●プラトンの書物蒐集癖をよく知っているディオゲネス・ラエルティオスは、プラトンがライバル視していたデモクリトスへの言及すら拒み、著作を集めて燃やそうと考えたことを非難している。●1920年、米国の裁判所は『アベラールとエロイーズ』の流通を禁じる判決を下した。その理由は彼(ピエール・アベラール)の著作が、過剰に人間の情緒を擁護し、知識人らを官能や性行為に導くからだという。●(1555年に出版された、ノストラダムスの名で知られるミシェル・ド・ノートルダムの『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』の)初版本は今や完全な稀覯本となっている。出版されて以来、定期的に破壊されたためだ。●ドイツ・ビーレフェルト大学のヴォルフガング・ユッテによると、ナチス政権下では5500人以上の作家の著作が破壊された。20世紀初頭のドイツ文化を代表する人々の作品が拒絶され、容赦なく焚書にされたということだ。・・・ドイツ敗戦直後の1945年春、米軍第101空挺師団が、バイエルン州ベルヒテスガーデンの町に程近い塩鉱山の坑道から、ヒトラーの個人蔵書を発見した。・・・後年、米国の歴史家ティモシー・W・ライバックの研究で興味深い事実が判明した。ヒトラーは無類の読書家であると同時に、古書にこだわる書物蒐集家でもあった。『ロビンソン・クルーソー』『ガリバー旅行記』『ドン・キホーテ』を高く評価し、『アンクル・トムの小屋』を愛読。聖書に精通し、ゲーテやシラーよりもシェイクスピアを好み、ショーペンハウアーやニーチェのみならず、米国の(反ユダヤ主義者)ヘンリー・フォード『国際ユダヤ人』やマディソン・グラント『偉大な人種の消滅』からも影響を受けていた。オカルトに入れ込み、エルンスト・シュルテルの『魔術――その歴史および理論と実践』に傾倒していたこともわかっている。その本に彼自らが下線を引いた箇所がある。<自分のなかに悪魔的な種を宿さぬ者に、けっして新たな世界を生み出すことはない>。740ページという大部の各ページの隅々にまで、書物の破壊の研究に対する著者の執念が籠もっています。

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